2月の初め、原油または原油関係の投資に最適な時期だと書いていましたが、その時私は、マーケットの底にいることに気付いていませんでした。良い時期だとはわかっていましたが、プロの投資コンサルタントが、確信が持てなかったり、投資資金の全てを、みんなが投資しているからといって、ひとつのものにつぎ込んでみたら?というアドバイスをしてきたとしたら、それは悪いアドバイスといえます。投資に絶対はありません。わからないことばかりですが、ポートフォリオには、常にエネルギー関係の投資を入れることをオススメします。今、原油は1バレル50ドル前後で動いています。2月の約倍の価格です。OPECの減産合意により、原油価格は回復しました。かつての1バレル100ドルまで回復するかはわかりませんが、少なくとも、現在の水準は維持されるのではないかと考えています。大幅な減産がされるかもしれません。しかし、シェールをはじめ、クリーンエネルギーやその他のエネルギー生産方法の出現により、原油の減産に対する圧力は高まっているといえるでしょう。

実際、太陽熱・風力・水力などのクリーンエネルギー開発のための新しいプロジェクトが、初めて固形燃料によるエネルギープロジェクトを追い越したとき、私たちは、「クリーンではない」エネルギーへの需要が減るという転換期にいることになります。これは、原油価格が過去50年、80年の価格より安く抑えられるということを意味する前兆となるわけではありません。原油産出国は、原油の産出量を増やして原油の価格があまりにも下がれば、自国の経済に悪影響を及ぼすことは理解しているのです。私に限っていえば、今後15年、20年は、原油関係の投資商品を持とうとは思いません。もちろん、いずれ需給バランスは取られることでしょうが、過去最高高値を更新する可能性はあまりないと思っています。

最近注目しているのはロシアです。ここ数年の原油価格の下落により、ロシア経済は比較的向上しているように見えます。ロシア経済の主要なポイントは原油です。原油価格の回復により、ロシアの関係企業の成長が見込めるのではないでしょうか。ロシア・ルーブルは、経済制裁により、低く抑えられてきました。しかし、トランプ次期アメリカ大統領は、ロシアとの関係を改善するといわれています。これにより、ルーブルの回復が見られ、ロシアの株式市場も上がるのではないかと考えています。実力以上に低く抑えられているロシア企業の株式は、いずれ上がるとすれば、今が買いどきなのではないでしょうか。

 

お問い合わせはこちらまで。

日本アジアウェルスマネジメント

代表取締役 リチャード・ケイン

(+66) 02 611 2561.

 

リチャード・メイヤー・ケイン

カナダ・モントリオール州ケベック生まれ。

ロンドンに上場するアジア・ウェルス・グループの代表取締役。東京で、メイヤーグループの代表を15年務めた後、現在アキコ夫人と二児とともにバンコク在住。

リチャード・ケインは、アジアにおける資産マネジメントについて、19年以上の実績を持つ。日本人に対しても、国際税務、資産管理に関するコンサルティングを行う。